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「準備は?」『007 スカイフォール』「お前が生まれる前からできてる」



『007 スカイフォール』

 あの『カジロ・ロワイヤル』で公開前までの悪評を吹き飛ばし、『慰めの報酬』で「ま、こんなもんか」とプチガッカリさせてきたダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドが帰ってきたぞ!
 前作から結構間も空いたこともあってか(多分そんな理由ではない)、今回は前2作のように直接物語が繋がっているわけではない。
 冒頭から何らかのミッション遂行中という、いつものお約束はバッチリなので、最初からテンションも上がる上がる!

 相変わらずダニエル・クレイグは、バツグンに高い暗闇で光が当たったときのカッコよさ補正のおかげで終始渋カッコいい。照明の当て方も見事で、本当に一々カッコいい様子は顔を見ているだけなのに『ブレイド』シリーズのアクションを観ているかのように錯覚する。一体どんな化学反応が、ダニエル・クレイグのルックスと光の間に起こっているのだろうか……。

 お馴染みのメンバーはボンド以外はM(皺くちゃ女優、ジュディ・デンチ)だけ。『カジノ・ロワイヤル』を観た直後はMみたいないつも口うるさいオバチャン以外信用できない気分にさせられたが、果たして今回は……

 ということであらすじを紹介する。
 MI6のトルコ支部?で、あるデータを内包したハードディスクが盗まれた! とにかくこれを奪われるとMの立場上、かなりヤバいらしい!
 行け、ボンド! とその仲間(中々タフな黒人女性)!
 機転を利かせて、しつこく犯人を追うボンド。逃走劇は遂に列車の上で終わるかのように思えたが……?
 果たして犯人の親玉は? そしてその狙いは? 一体何が奪われたのか?


 相変わらず、冒頭のアクションはとてつもないスペクタクルと興奮に溢れている。
 ダニエル・クレイグのボンドはショベルカーを運転する姿もキマッていて、なんだかとっても不公平だ!
 オマエもショーン・コネリーみたいにカモを頭に乗せて潜水してみせろよ!
 ちなみに、ショーン・コネリーがカモを頭に乗せた映画は『ゴールドフィンガー』である。奇しくも、『スカイフォール』と同様に、ショーン・コネリー版007の三作目である。
 そしてどういうわけか、『スカイフォール』は『ゴールドフィンガー』へのオマージュで溢れている!!

 というわけで、絶対に『ゴールドフィンガー』を観ておいた方が良い! あの何かと信頼できる映画評論家町山智浩が言っているのだからまず間違いない!
 彼の言うとおり『ゴールドフィンガー』を観てから『スカイフォール』に臨んだ私からしても、観とかないと損をするレベルだと言っておこう!
 特に中盤、あのクルマの登場と共に流れるテーマ曲! ここは本当に観た人しか伝わらないファンサービスなので、どうせなら盛大に楽しんでいただきたい!
 この他にも、やら部屋やら、『ゴールドフィンガー』ネタに溢れているので、『慰めの報酬』よりもずっと本作の予習になるゾ!


 さて、もしかすると『ゴールドフィンガー』観てないと楽しめないんじゃないのか? なんて思う方もいるかもしれない。
 そこについては心配無用! 『慰めの報酬』どころか、『カジノ・ロワイヤル』さえ凌駕するダニエル版007史上最高傑作と言うべき超ステキな内容になっているのだ!
 ネタバレを厳に控えたレビューは追記にて!


 あ、ちなみに本作のOPは超クール! 『カジノ・ロワイヤル』のOPにも引けを取りません!


 




 さて、肝心の『スカイフォール』そのものについてだが……本作は静かにアツい物語である。
 ダニエル・クレイグの演じるジェームズ・ボンドは常に余裕がある。不敵な笑みを絶やさず、仕事中でもプレイボーイな一面を隠そうともしない……。
 それでいてしたたかな一面もあるのが、新ボンドの良いところなわけだが……本作ではなんとその仮面の裏側を垣間見せるシーンがある。
 一体ボンドは何故、00(殺しのライセンス)を取得しエージェントになったのか? はっきりと語られるわけではないが、彼が決して表に出さない、胸に秘めた情熱を確かに感じることができる。
 また、その際のMがとてもイイ! 「新しいMは何かと耳障りだなあ……」なんて思っていたが、あんな一面があったとは……!
 他にも、詩を朗読するシーンやクライマックスでは、珍しく名言の嵐。
 M、お前実は凄くカッコよかったんだな!

 アクションシーンについても触れておこう。
 冒頭のトルコだけではなく、劇中でボンドは世界中を渡り歩いてお土産感覚でアクションを披露してくれる。
 上海、マカオ、そして設定上は不明だが長崎の軍艦島……勿論母国イギリスも忘れてはならない。
 ツボだったのが、上海でのアクションシーンだ。
 高層ビルでの戦いなのだが、なんと光源をバックにシルエット同士での戦いでしかもワンカットで決着まで格闘というカッコ良すぎる演出。

 更に、個人的には終盤にある水中戦でボンドが『キン肉マン』のマッスル・スパークみたいな技を使っていたのが非常にお気に入りである。事前にマッスル・スパークがどんな技なのか、漫画でチェックするべし!(『ゴールドフィンガー』より優先度は限りなく低い)
 この他、シーン単位で切り取っても惚れ惚れするようなものばかり。全部挙げたらキリがないくらいなのだ! 二時間半に迫ろうかという上映時間、片時も目が離せないとはまさにこのこと。贅沢な映画だなあ!


 最後に、テーマについても少しだけ。
 劇中で、ボンドが「趣味は?」と聞かれ「復活だ」と答えるシーンがある。この言葉の表すとおり、本作のテーマはまさに復活だ。
 それはキャラクター面から見ても、主人公ボンド自身だけでなくボンドガールや敵役にも言えることである。他にも、ボンドのようなエージェントを抱えた影の組織MI6そのものについても同様だ。
 一度はその場を離れながらも、再び返り咲こうとする意志……一体何故そうする必要があるのか? 互いに相容れないその意志がぶつかり合い、絡み合い、それぞれの答を見出していく。
 これをアツいと呼ばずしてなんと言う!? 復活という言葉から想起されるエンタテインメントとしては最高峰のアツさを、まさ007が表現するとは思わなかった!
 しかも決して007の培ってきた雰囲気やムードを壊してはいない(だって、むしろオマージュに溢れてるのだから!)。これがまさに、前述した静かにアツい物語と評する所以である。

 かの有名なアーノルド・シュワルツェネッガーが演じたキャラクターの名言「I'll be back」にも通ずる(?)カッコよさを、ジェームズ・ボンドで存分に楽しめる一級の作品である。
 多分コレを観たら、映画館から帰る時の電車にはわざわざ飛び込み乗車して何事もなかったかのように袖口を直す仕草がしたくなるに違いない!
 皆、観ろ!

 尚、あえて敵役(なんか性犯罪者っぽい目つきをしているハビエル・バルデム)については全くと言っていいほど触れなかった。
 要するに、劇場でその凄さを確かめて欲しいということだ!
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Comment

「ご趣味は?」「復活です(キリッ」
私もつい先ほど観てきましたが面白かったです!
タイトルのセリフはそのあと実はおじいちゃん手プルプルなのには笑いました。

「ゴールドフィンガー」のボンドカー登場シーンは燃えましたね~!(車の方は爆発しましたがw)
しっかり射出ボタンも見せてくれたり、戦いでもちょっとだけ活躍したりサービス精神も満点で良かったです。

飛び込み乗車→袖口直すのはちょっとやりたくなりますね。
扉が閉まって走り出してしまったらホームを並走して車掌室へジャンプ!・・・・は無理か(笑)
  • 2012-12-07│22:15 |
  • alai Lama URL│
  • [edit]
Re: 「ご趣味は?」「復活です(キリッ」
 alai Lamaさん、コメントありがとうございます!

 車が爆発した瞬間に、明らかにボンドがマジギレの表情をしていたのも印象深かったですね! 一瞬だけBGMも変わりましたしw
 まさかタイヤパンクと煙幕以外全て再現するとは思いませんでした……ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドがようやく今までのシリーズに歩み寄った……ような気がします。

 どうやら袖口を直すシーンは、後ろ大惨事系男子という呼称がつけられているようです!(真偽の程は定かではありませんがw
 ホーム併走からのジャンプは、運良く飛び掴まれたとして、車掌室の扉を開けてくれるかどうかが問題ですねw
 ボンド並のルックスが必要なのか、車掌が女性でなくてはいけないのか……どうでもいいですが、ダニエル・クレイグは走るときの姿勢がメチャクチャ良いですよね。

 私も早く『ボス その男シヴァージ』が観たい……! コメント本当にありがとうございました!
  • 2012-12-10│02:31 |
  • 饂飩粉 URL│
  • [edit]

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