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俺たちヴィジランテ(自警団)!なDVD映画レビュー『スーパー!』『ディフェンドー』『ミラージュ』

 あまりにも有名になりすぎた映画『キック・アス』は、何のパワーも持っていないオタッキーがヒーローに扮してあーだこーだする映画であった。
 勿論面白かった!

 だが世の中には他にも似たような映画があり、今回はそれを紹介して行こうと思う。『キック・アス』はさ、多分今更感が漂うだろうからさ……今回はナシ

 今回レビューする作品はどれもこれも傑作ばかりで、ふとした瞬間に目頭が熱くなるステキ仕様。
 多分レビューする順に知名度が下がっているであろう……だが私が一番オススメしたいのは一番最後にレビューする『ミラージュ』だっっっ!

 というわけで、『スーパー!』から始まるヴィジランテ映画レビューは追記からどうぞ!
 あらすじも書いたのでちょっと長めなので、全部まとめて追記に押し込みましたとさ……


 
スーパー! スペシャル・エディション [Blu-ray]スーパー! スペシャル・エディション [Blu-ray]
(2012/01/07)
レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ 他

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『スーパー!』
 スーパー冴えない夫フランク(マイケル・シャノンがダウングレードした感じの俳優レイン・ウィルソン)は、元ヤク中の美人妻(最近こーゆー映画ばっかりリヴ・タイラー)と結婚したこと(あと強盗犯がどの道に行ったか警察官に教えたこと)だけが人生の中で最も輝いた瞬間だと思っていた。
 しかしある日、ドラッグ売買を生業とするセクシーなナイスガイ(俺たちのケヴィン・ベーコン)がドラッグさながらのセクシーさ(あとドラッグ)をチラつかせ、妻を奪ってしまった!
 フランクは神に祈った。祈ることしか出来なかった……何故ならフランクは口論すらマトモにできないほど弱弱しいヤツだから……
 しかし祈りが届いたのか、フランクは『ミスト』に出てきそうな触手から啓示と指でチョンッを受ける。
 己の使命に目覚めたフランクは自家製のコスチュームを身に纏い、悪いことしたヤツを片っ端からレンチでぶん殴るヒーロー、クリムゾンボルトに扮して妻を救うべく行動を開始するのであった……!
 あ、途中でボルティー(こらっ!エレン・ペイジがそんなことしちゃダメでしょ!)っていう女ヒーローも仲間になるよ!


 ヒーローになろうとする奴らの動機は色々だけど、『スーパー!』におけるキッカケはまさかの神の御言葉である。
 悪なら裁いてもいい、という結論に至った主人公だがどう考えたって内心は最初からそのつもりだったに違いない。映画の作り手も、おそらくそれをわかっててあんなシーン(神からの啓示)を作ったんだと思われる。
 さてこのクリムゾンボルト、悪いことした奴を見つけたら本当に容赦なくレンチでタコ殴りするわけだが、その標的がむしろ不憫なほど強引で自分勝手である。
 映画のチケット購入列に割り込んだ男に対してレンチでボッコボコっていうのはさすがにちょっと……と観ているこっちがドン引きするほどえげつない描写の連続。でもまあ「やっちゃえクリムゾンボルト!」って言いたくなる気持ちもあるんだけどね……

 しかしながら、よくよく考えるとやってることはバットマンやデアデビルと何ら変わらないのだ。自警行為が白昼堂々と行われたか否かの違いしかない。
 悪を裁くというのはつまりこういうことだよ、ってなワケだ。
 そのままゆる~いノリだがグロテスクな自警男クリムゾンボルトは、途中で悩みや葛藤に押し潰されそうになりながらも遂に宿敵ケヴィン・ベーコンと相対する。
 クライマックスでの二人の会話のやり取りは、中々興味深い。
 ある意味クリムゾンボルトことフランクは、自らの行為に対する許しを求めていたのかもしれない。
 何かのためというのは置いといて、どんな方法であれ悪を裁くことが許されるのなら、それで世界が――ひいては自分が変わるかもしれないのだから……



ディフェンドー 闇の仕事人 [DVD]ディフェンドー 闇の仕事人 [DVD]
(2010/12/22)
ウディ・ハレルソン、カット・デニングス 他

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『ディフェンドー 闇の仕事人』
 アーサー・ポピントン(僕たち私たちのウディ・ハレルソン)は、昼間は工事現場で働く温厚なオッサン。
 だが夜はお手製のコスチューム(黒地にガムテでDの文字)に身を包み、悪を裁く正義のスーパーヒーローその名もディフェンドーとして自警活動に勤しんでいるのであった!
 彼は幼い頃に自らの元を去った母(水商売のオ・シ・ゴ・ト)を殺したと目される暗黒街の総帥を倒すべく、夜な夜なディフェンドーとして悪と戦っている。
 ある日、偶然助けたオンナノコ(若かりしマリオン・コティヤール風美人、だがヤク中)が暗黒街の総帥を知っていると言うので、ディフェンドーは情報を得る代わりに彼女に協力(毎日40ドル渡すという契約)することになるのだが……


 一見、(暗黒街の総帥を除けば)何の変哲もないヴィジランテ映画のようだが、この映画もまた一味違う。
 主人公は、自らがスーパーヒーローであることに一切の疑問を持っていないのだ
 つまり、自警行為に葛藤するワケでもない。武器はビー球やら瓶詰めのハチやら微笑ましいものばかりだが、彼は誤って(本人はそのつもり全くナシ)潜入操作中の啓刑事に手を出してしまったりする。
 逮捕された挙句、警察相手に休戦を申し出る!なんてワケわからんことを言い出す時点で、彼の精神は少しおかしいということがわかる。
 どうしてそんなことになってしまったのか? という点は、彼の過去エピソードが関わっているわけだが、これがまたすこぶる泣ける
「私はどこにいてもあなたと同じ月を見ているのよ……」と言い残し去っていく母親もそうだが、暗黒街の総帥という言葉を最初に生み出した祖父とのシーンも良い。「ねえおじいちゃん、なんでお母さん帰ってこないの?」「殺されたんだよ」「誰に?」「……暗黒街の総帥さ」
 ああ、ここから歯車は狂ってしまったんだな……。
 しかし、狂いだした歯車はもう止められないところまで来てしまっている。もはやアーサーにはディフェンドーとして暗黒街の総帥を倒す以外、することがないのだ。
 本当に母が死んだかもわからなければ、暗黒街の総帥なんてのがいるのかも不明。
 それでも彼は、母が見ていたはずの同じ月の下で、祖父の言葉を信じて悪と戦い続ける。その戦いは幼稚だが、彼の揺るぎない信念と、一抹の切なさが妙に涙を誘う。
 ラストに至ってはもはやガチ泣き必至。畜生こんなチープそうな映画で……だがこれは決してギャップ効果ではない。
『ディフェンドー』はただのヴィジランテ映画ではない。自警行為しか道のなかった男と、その周囲の人々を描いたヒューマンドラマとしての側面も持っているのだ。っていうかそっちに比重が傾いていてアクションシーンとか実はほとんどなかったりする
 かなりの変化球だが、『スーパー!』『キック・アス』に勝るとも劣らないヒーロー映画であることに変わりない。


ミラージュ [DVD]ミラージュ [DVD]
(2012/07/04)
マルコ・ザロール、マリア・エレーナ・スウェット 他

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『ミラージュ』

 チリ映画、襲来
 クラブハウスのボディガードとして働くマルコ(甘いマスクにガチムチボディの黄金パターン系男子)は、子供の頃強盗に一家を襲われた過去を持っている。
 その事件で両親を失い、弟は心を閉ざし病院に引き篭もってしまっている。
 クラブハウスのオーナーはちょっと嫌味な奴だし、仕事も楽しいはずがない。しかしマルコは、弟の入院費を稼ぐためならと、仕事とトレーニングに勤しんでいた……。
 ある日マルコは、今まさに民家へ強盗に入ろうとしている集団を目撃する。彼は犯人グループの車にあった覆面マスクを被るとその民家へ向かう。そして強盗団を見事撃退し、襲われかけていた家族を助けることに成功する!
 翌日、ニュースでその話題が大々的に取り上げられた。実は助けた民家が、地元のTV番組のニュースキャスターだったのだ。
 更に、病院でそのニュースを見ていた弟が、そのマスクの男性に憧れて快方に向かっていることが判明。
 マルコは決心した。弟のためなら、俺はマスクを被ったヒーローにだってなってやる!


 なかなか悲壮な過去と真っ当な動機を持った、ともすればアメコミに出てきてもおかしくない設定である。
 だがしかしコスチュームはDVDジャケットそのまんまでゴーグルが飛び出た青いマスクと私服という、上記二作品よりも圧倒的にやる気のない見た目である。
 だが弟が望んでいるのはコレなのだ! 絵心のある弟が描いたイラストに忠実にした結果がDVDジャケットでパンチをかましているヒーロー、ミラージュなのだ!

 一躍街の有名人となった覆面ヒーロー、ミラージュ。
 彼はひったくり犯集団を凝らしめた後、その場にパソコンのEメールアドレスを記載した紙を残す。「何かあったらどうぞ。すぐに駆けつけます」的なメッセージと共に!
 しかし、現実は残酷。
 ウソの文面でミラージュをワナに嵌めたり、一番最初に助けた美人キャスターが壮大なヤラセ番組に出演させたりと、容赦がない。
 かといってこの映画、ヒーローを否定しているわけではない。主人公の心境は弟のためにヒーローになるという信念が一切ブレない。かといって自分がヒーローたり得ているとも思っていない。
 ヒーローを目指し、ひたすら街の悪と戦おうとする主人公の姿が、見た目に反してグッとくるのだ。
 主人公に憧れ、サイドキック(バットマンで言うところのロビン)を申し出て同じく自警行為を始める少年のセリフがとても印象的。
「あなたが活動しても街は変わらないと思いますが?」「どうしてそんなこと言うの? 僕は盗まれかけたカーステレオを取り戻したじゃないか!

 また上記2作との大きな違いはとんでもなくレベルの高いアクションにある。
 朝飯前感覚でクルッとその場でサマーソルトしてみせるあたりが、只者じゃない感バツグン。
 下手なハリウッドアクションなんかより全然見応えのある、キレまくりなアクション盛りだくさん。ワイヤーを使っていないのは全体に漂うチープ感からも明らか。この俳優、デキる!
 冒頭から本当に目で追えない速さのパンチを繰り出すトレーニングをしている時点で「おっ!」とさせられる。俺ジナルなヴィジランテ映画の中でも、アクションの出来はトップクラスだろう。いや今んとこ間違いなく『ミラージュ』がトップだ!

 ラストもまたイイ感じで泣かせてくれる。
 弟のためならと戦い続けるミラージュに、やがて迫り来る圧倒的な壁……戦いはやがて、弟のためだけのものではなくなっていく。
 ヴィジランテ映画の多くは、真っ当なヒーロー映画以上に主人公もまた一人の人間であることを強調する。そこから、ヒーローとしての戦いが、自分と向き合うことに変化していくのだ。
 世のため人のためではなく、最初から個人的な動機で戦うミラージュ。確かにそれはエゴだし、自分勝手だし、他人を考慮していないかもしれない。
 だが、ミラージュを世や人が認めてくれたら? 話は変わってくるだろう。
 人は、孤独では何をしても身勝手な行為になってしまう。だが、周りの人々がそれを許した時、人は孤独から解放されるのではないだろうか。
 弟のために孤独なバウトを続けるミラージュのドラマからも目が離せないサイコーにイケてる映画だぜ!
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 映画が大好きな大学生。実は特撮やアメコミなんかも好き。
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