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日本よ、これが森ガールだ!『ザ・ウーマン』



『ザ・ウーマン』

 趣味の狩猟をしに森に出かけた、ある家族の父親。
 そこでスコープ越しに目にしたのは、森に棲んで0円生活を営んでいるサバイバル女だった!
 しかもあろうことかこの親父、その女を気絶させたかと思いきや自宅の納屋に監禁してしまう
 これからこの男は家族に内緒でこの女を調教するんだな……かと思えば、アッサリ家族のみんなにカミングアウト「これから彼女を飼育しよう」一家全員、異議なし!

 森に棲んで動物や魚を食って生活していたらしいその女だけでも十分ヤバいのだが、それ以上にヤバいのが物語の主役達である監禁一家だ。
 何がヤバいって、そのあまりにも現実離れした男尊女卑ヒエラルキーの存在がだ。母は決して父親に逆らえない。そんな父親の血を受け継いだ子供たち(姉、弟、次女の順)の中でも、弟のクレイジーぶりが冴えわたる(学校にて、フリースロー対決で女子に任されると、その子の櫛にガムをくっ付けるという陰湿すぎる所業を淡々とこなす)。
 そんな父と弟の狂気に、母と長女は怯えっぱなし。長女に至ってはちょっくら口に出すのが憚られる秘密まで抱えているからさあ大変! 唯一、幼いイノセントな次女だけがこの映画の癒しとなっている。

 とにかく全シーンから漂う普通じゃない空気感が、ポップなBGMといい意味でミスマッチ。さも「これがフツーですよ?」とでも言いたげなノリで堂々としているのが、段々ファミリードラマを観ている感覚に陥らせてくる。
 監督は『MAY-メイ-』で主人公のちょっと変な日常から、悲しい狂気への見事な移り変わりを描き上げ全俺を号泣させたラッキー・マッキー(名前からして矛盾してるだろコイツ!)。本作はあの『隣の家の少女』でも有名なジャック・ケッチャムと共同で脚本を書いている。

 全編を通して、ケッチャムらしいアブノーマルで静かなクレイジーさが全面に展開されつつも、ラッキー・マッキー十八番のレズビアンのキャラクターも登場。おまけに美人。ありがとうラッキー・マッキー!
 しかし劇中での仕打ちはあんまりだぜラッキー・マッキー!


 さて、すげぇ監禁調教シーンとか、家族間の不気味なズレとか、そういったホラー映画らしさを紹介するのも良いのだが、あえてここでは伏せておく。
 この映画の素晴らしいところは、もっと他にあるからだ。

 言うなればそれは恐ろしいほど高い女子力だ!
 先ほど男尊女卑の家庭が舞台と書いたが、あまりにも誇張されすぎていて(予告編でもそれは明らか)現実味はほとんどない。しかし、それをさも日常であるかのようにカメラに映すことで邪悪な雰囲気を掻き立てている。
 されど、この映画は女子力が高い。
 今年公開されたガールズムービー『ガール』『サニー 永遠の仲間たち』などがヤムチャだとするなら、『ザ・ウーマン』はセル完全体並の女子力を持っていると言ってもいい。
 まさかタイトル通りのガールズムービーだとは、さすがの私も思わなかった……。

 とにかく、クライマックスのカタルシスがとてつもない。『ザ・ウーマン』の説く女子力の定義に男の私も痺れて憧れざるを得ない!
 今まで散々恐怖を演出してきた一家の男性陣やその他ヒヨッ子に対する、清々しいまでの逆転劇。まさに女達の逆襲!! ラストカットの爽快感は思わずガッツポーズを取りたくなるほど。

 森の中をしこたま生き抜いてきたからこそ、ザ・ウーマンは精神と時の部屋で修業を積んだかのような極めて異例な女子力と、スカウターなしで他人の女子力を脳内で数値化する眼力を手に入れることができたに違いない。現代のゆるふわファッションに真っ向から牙を剥くボサボサ髪とボロボロ服のナチュかわサバイバル森ガールの驚異を見逃すな!


 ……と言いたいところだが、残念ながら『ザ・ウーマン』の公開はシアターN渋谷にて明日(11月30日)までとのこと!
 先月試写会にて鑑賞し、当ブログでもさりげなく記事にして紹介した『トールマン』と合わせて明日絶対に観に行くべし!

 なんだかレビューにもなっていないけど、とにかく凄い女子力を感じさせる映画なんだ『ザ・ウーマン』!
 追記は書くこともうなくなったからナシで!
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『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』の足並み



『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』

 12月1日に公開する本作の一般試写会に、先日行ってきた。
 上映前に、『家族の絆』という普遍的なテーマを扱った作品ですとのアナウンスもあり、「どうせお涙頂戴の温かいファミリードラマだろうな」などと思っていたのだが、私の予想は良い意味で裏切られた!

「家族の絆ってステキねウフフ」などと呆けている生ぬるい内容の映画とは正反対だ!
 どちらかというと、「親戚の結婚式ってマジ退屈だよな……」みたいな感じで非常にリアルで冷めた鋭利な家族ドラマなのだ。

 あらすじはこんな感じ。

 別れた夫(見るからに権力者だぞコイツ!)との間に生まれた息子ディランの結婚式が行われるという。
 招待された元妻のリン(シリアス感マシマシなキャメロン・ディアスっぽいエレン・バーキン)は、現在の家族を連れて久々に祖父母の実家に向かった。
 だが、元夫のおニューの妻(ダイアン・クルーガーかと思ったらデミ・ムーアだった)のビッチ臭い態度や、親戚オバチャン達の野次馬根性、更には認知症の祖父に付っきりで味方になってくれない祖母に、リンとその家族達はモヤモヤイライラ……
 結婚式に娘は来るのか? 新郎がエスコートするのはどちらの母か? そもそも認知症の祖父は大丈夫なのか?
 他にも、個々の抱える悩みや問題が一人一人を追い詰めていく……果たして無事に結婚式を行うことは出来るのか……

 まず映画の主体となる家族の顔ぶれからして一筋縄ではいかない。
 主人公リンは情緒不安定で、別れた夫と話すにもセラピストが仲介していないとムリ。それでも必死に家族をまとめようとする彼女の努力がむなしい……。
 新しい夫との間に出来た二人の息子は兄がドラッグ中毒弟が自閉症というなんとも扱いの難しそうな顔ぶれ。
 更に、新郎の妹もいるのだが、元夫の確執からか自傷行為に悩んでいた過去がある
 祖母は祖母で、認知症の祖父のせいで神経が完全に参っていて、それ以外の余計な問題に頭を煩わされたくない様子。
 恐らくこの映画でマトモなのは新郎ディランと、リンの新しい夫リーだけだろう。だがこの二人はそこまで物語に関わってこない……ということは個々に問題を抱えた家族一行が、更に余計な問題を巻き起こすのが本作の主だったストーリーなのだ!

 特に際立っているのが、ドラッグ中毒の長男(ディラン含めると次男?)エリオット(『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラー)だ。
 彼はドラッグ中毒の他にトゥレット障害というのも抱えていて、感情的になると暴言と暴力に自制が効かなくなってしまう。
 リンとの口ゲンカ→張り倒しの流れは、長回しが上手く作用し「ああ、この家族終わったな……」という絶望感に溢れている。


 一体この映画、どういうところに着地するんだ……? と半ば不安にさせられながら観ていると、いつの間にかこの映画はエンディングを迎える。
「え? あれ、ここで終わり?」と観た直後は驚かされたが、思い返してみると確かにこの映画は家族の絆とやらを描いていることに気づいた。

 この映画が描く家族の絆とは? 続きは追記にて



 

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「破の感動を……」『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』「返せ!!」



『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』


 ヱヴァンゲリヲン新劇場版のネタバレ規制は厄介だ。
 最近では『ダークナイト ライジング』でも同じようなムードが主にツイッターで流れていたが、それとこれとはワケが違う。
 ヱヴァのタチの悪いところは、事前に明かされる予告編があらすじにすらなっていない点である。音楽に合わせて本編の映像が継ぎ接ぎされているだけで、どういった内容なのか想像すらできない。
 事前にファンの間では「2号機が宇宙に行ったから多分TV版でも出てきたあの使徒と戦うんだろう」とか「あのアスカは式波じゃない説」とか、その程度である。
 散々続報を待たされた挙句、虹色のピアノが透けて見える映像がダラダラ流れたりと肩透かしもいいとこだ。
 そのくせ、新宿での最速上映会のチケットは販売開始後10分足らずで完売……社会現象時代を知らない私が言うのもあれだが、なんだかんだヱヴァに愛想を尽かすなんてことはないのだろう。

 さて、本編をまだ観てない方はあらすじすらわからない=あらすじですらネタバレになるという空気をひしひしと感じるので、今回の記事も大したことは書けない。
 追記では、私個人の判断で内容に関してネタバレしない程度に感想やら何やらを書いていこうと思う。



 

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粉砕!玉砕!!文化ッ祭!!!『悪の教典』ストリーム!!!!



『悪の教典』

 さすまたパンティー、イェーイ!!

 ……気を取り直して映画の紹介に移ろう。「さすまたパンティー」の詳細が知りたい方はさっさと映画館に行こう! ちなみに原作小説にもない貴重なシーンですぞ!

 舞台はとある高校。
 主人公は、生徒からも教師からも信頼を集めている英語教師、蓮見聖司(『海猿』で人を助けまくった男、伊藤英明)。
 絵に描いたようなイイ男で、「本当にこんな奴いるのか?」ってぐらいなのだが、映画を観ていると「本当にこんな奴いるのか!!!???」ってなること間違いナシ!

 何故ならハスミンこと蓮見聖司は、人間として致命的に欠落しているモノがあるサイコパスなのだ!
 冒頭、若干15歳のハスミンについて、彼の両親が会話しているシーンが流れる。
 そこで交わされる会話の内容が、ハスミンがサイコパスである所以なのだ。注意して聞くように!

 その欠落のおかげで、ハスミンは一般ピーポーには理解できない思考回路で動いているのだ。
 これこそが『悪の教典』の恐ろしいところである。
 ハスミンの行動は、我々の目から見ても突飛なものばかり。
「娘がイジメに遭ってるんだよォ!」と毎日のように学校に抗議しにくる生徒の父親を、事故に見せかけてサクッと殺してしまうのだ!
 これだけなら「ハスミンは些細なことで人を殺してしまうただの恐ろしい奴」なのだが、どうもそういうわけではない。
 物語中盤における、ハスミン海外時代の一幕がそれを明らかにしている。ハスミンは殺人に快楽を見出しているわけではない。ハスミンにとって殺人とはゲームでよくあるような選択肢の中に常に存在している手段なのだ。
 勿論ハスミンは事故に見せかけた完全犯罪を決行するが、彼が「人を殺した」という事実に怯えている様子は一切ない。誰かに尋ねられたら誤魔化すものの、何のために誤魔化すのか全ては物語のラストで明らかにされるぞぅ!


 追記では、記事タイトルよろしくクライマックスの文化祭について原作との相違点も含めてつらつらと。



 

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『リンカーン/秘密の書』に記したヴァンパイアとの戦い!



『リンカーン/秘密の書』

 先月後半は『宇宙刑事ギャバン』『ザ・レイド』『危険なメソッド』とステキな映画を沢山観たので記事にするぞーなどと思っていたらいつの間にか11月だ!
 というわけで映画の日に公開された『リンカーン/秘密の書』を観に行った。
 わざわざお台場に観に行ったのだけど平日だからかガラガラ。映画の日が平日なら、デートスポットにある映画館は穴場だということが判明した。多分来月の1日はとんでもないことになっているだろう……


 それはそうと『リンカーン/秘密の書』最高に面白かった!
 リンカーン大統領は、実はヴァンパイアハンターだった!の一文だけでワクワクするのだが、これをハリウッドが全力で金をかけて製作したのだから驚きだ。
 どうやら原作本があるらしい。制作に参加したティム・バートンは「バットマンをイメージした」とか言ってるけどバットマンはこんなムダにカッコつけて斧をブンブン振り回したりしねーよ!
 バートン監督の頃からバットマンがカッコつけていたのはバットモービルぐらいだったじゃないか!

 映画はあたかも伝記映画を装って若かりし頃のリンカーンから描き始める
 史実に基づき、幼い頃に母を亡くしたリンカーン……しかしその母を殺したのが実はヴァンパイアだった!
 このほか、史実に基づいているのをいいことに至る所にヴァンパイアを配置するという歴史の捏造を何度も繰り返す。すげー、リンカーンってマジでヴァンパイアハンターだったんだ!
 というわけで、謎の助っ人の力を借りてハンターになるためのトレーニングを積むリンカーン。この助っ人(デビルズ・ダブルの片割れ、ドミニク・クーパー!)の言葉も一々カッコよくて「力は憎しみからは生まれない。真実から生まれる」などと言うや否やリンカーンが巨大な樹木をバチコーン!とするのだから、言葉の力は偉大である。

 さて皆さんも気になるであろう、劇中でのヴァンパイアの設定について。
『ブレイド』『デイブレイカー』では日光を浴びた途端パチパチと爆ぜて灰になったり、『トワイライト』では肌がキラキラ光るだけで全国のホラー映画ファンの逆鱗に触れたり、半年ほど前の『ダーク・シャドウ』では日傘とグラサンでなんとかなったりしていたわけだが……
 今回はまさかの日焼け止めだ! 当時発明されたばかりの日焼け止めを全身に塗れば日中の活動にも支障を来たさない! ってことは日焼け止めはヴァンパイアの発明だったのだ!
 きっと夏に日焼け止めのCMに出演している女優も実はヴァンパイアなのだろう。私の記憶では北川景子あたりが怪しいぞ!
 ヴィジュアル面においては、3D効果を上手く利用した瞳の演出がベタだが印象的。瞳だけが光って浮かび上がっているように見せることは、3D映画でしか出来ない方法なので必見!

 追記ではお待ちかねのアクションについて。
『ウォンテッド』の監督らしい、ハッタリ全開のトンデモ斧アクションに酔いしれろ!


 

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Author:饂飩粉
 映画が大好きな大学生。実は特撮やアメコミなんかも好き。
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