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完全に『テルマエ・ロマエ』は凌駕している……!



テルマエ・ロマエ

 あらすじは恐らく不要だろう。原作漫画のタイトルと、大まかなストーリーだけなら知ってる人が大半のはず。
 要するに古代ローマ時代(紀元136年?)の建築家ルシウスが、風呂――というか水気を通して現代日本にタイムスリップするお話。

 昨今の邦画は、人気のあったシリーズの続編か、人気漫画や小説の実写版、ドラマの映画版など、手堅く集客が見込める作品ばかりが量産されている(気がする)。
 元から人気があり、ヒットも保障されているのだから、当然中身は薄っぺらいものばかりだ(そんな気がする)。
 記事にはしてないが、最近観た『僕等がいた 後編』も酷かった。社会人という舞台をまるで活かせておらず、陳腐な台詞とハリボテのようなキャラクターが、中身のないドラマを繰り広げていただけだ。
 これっぽっちも描写と呼べるものがなく、伝えたいことは全て台詞に起こしてしまっている。これでは物語に入り込む余地がない。 
 いくら吉高由里子が可愛いからといって、さすがに許せたものではなかった。

 しかし、この『テルマエ・ロマエ』は違った。
 滅茶苦茶面白いではないか! 完全に私の、近年の邦画に対する先入観を凌駕している。
 私は誇り高き古代ローマ人ではないので、素直に負けを認め、考えを改めたいと思う。

 まず主人公のローマ人を阿部寛が演じているという時点で、映画全体に凄まじくシュールなオーラが漂っている。
 現代日本のキャラクターは、全員彼を外国人だと信じて疑わず、ろくなコミュニケーションも取れない。でもルシウスの独白は日本語で、彼は古代ローマ人なので銭湯にある様々なアイテムに一々大げさに驚く。その確信犯的なギャグの数々が、漫画以上に面白い。
 フルーツ牛乳や、温泉卵、バナナなど、今なら誰でも知っている飲食物を初めて食すという演技をする阿部寛の顔芸にも注目だ。
 このほか、文明の利器に大しても同じリアクションを取るのだが、過剰な演出と阿部寛の真に迫る心の声が、ウォシュレット以上にクセになる。
 阿部寛以外にも、市村正親、北村一喜など、完全にローマ人になりきっている俳優の面々は中々滑稽だ。なまじ演技が上手い分、違和感がなさすぎて笑えてくる。

 もう一つ良かった点は、ヒロインの上戸彩の可愛さだ。
 あれ、上戸彩ってこんなに可愛かったっけ……と、ここでも再認識させられてしまったではないか! 可愛いぞ上戸彩!
 劇中で初めてルシウスに出会ったとき、漫画家志望の彼女は気絶した彼のデッサンを始める。
 その時、服と首に巻いたタオルの隙間から窺える胸の谷間がもーたまらん……監督め、アングルに拘っているのがミエミエだぞ!
 更に、彼女が古代ローマ衣装を身にまとった際のおっぱいの主張っぷりときたら……
 『プリンセス・トヨトミ』冒頭での綾瀬はるか全力疾走も凄かったが、こちらも負けてはいない。実にいいものを見せてもらった。
 ……単純にキャラクターとしても十分に立っているし、ルシウスを想う彼女の一途さや真剣さは思わずキュンとくる。
 ルシウスと対になるような設定も評価する。評価してるんだって! 決しておっぱいだけじゃないんだって!


 そして忘れてはいけないのが、謎のオペラ歌手だ。こいつは予告編には一切登場していないので、是非劇場で確かめていただきたい。
 恐らく映画オリジナルの演出の一環なのだろうが(原作は途中までしか読んでない)、これには大いに笑わせてもらったw



 さて、追記ではシュールなギャグだけに留まらない『テルマエ・ロマエ』の奥深さについてもっと言及していきたいと思う。
 ネタバレはしてないので、まだ観ていない方でも全然安心なので是非ぽちっと、お願いします。



 

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『Black&White』の決まり手は?/『アポロ18』と共に散れ



『Black&White』

 あ・ら・す・じ
 CIAの若手実力派コンビのタックとFDR(スパイダーマンで言うところのMJみたいな略称だと思う)が、一人の女性を巡って職権を濫用した奪い合いをおっぱじめる。

 細かいことは予告編で! 気になるのであれば劇場へ!
 デートムービーと言われてはいるが、決して甘ったるい内容ではない。むしろ今月の映画の中では特段にノリのいい映画で、パーッと楽しんで、映画館を出たら内容は半分くらい忘れてるようなタイプだ。確かにデートにはおあつらえ向きだが、公開週の作品群には『僕等がいた 後編』だの『スーパーヒーロー大戦』だの、ファミリーやカップル層を狙ったライバル作品が多かった。日本での興行成績は芳しくないだろう。

 ストーリーは、ノリの良さでホイホイ進んでいく。冒頭は「俺たち仲良し二人組は、CIAでこんな仕事してます!」という自己紹介。その後、内勤となってしまい暇を持て余す彼らの私生活を描きつつ、別にヒロインの事情も挟み込む。
 仲良しのタックとFDRは、コンビではあるものの性格は対照的で、明確な差別化が図られている。何も考えなくても、それぞれがプレイボーイと、一途なロマンチストであることは一瞬で理解できる。無駄な説明は省きに省いて、テンポのいい会話劇とコミカルな演出で流れるように説明。なるほどこれはわかりやすい。

 そして、二人と出会い、二股?をするヒロインが中々味があっていい。
 30台も後半に差し掛かって、仕事一筋と言い聞かせながら、彼氏ナシの現実に焦り始めている。元カレは新しい恋人を、友人は既に結婚。昔はクラブで遊び呆けていた過去もあるが、完全に黒歴史。
 しかも、様々な偶然を経て知り合ったタックとFDRと交互にデートを重ねてしまう。
 そして友人にこう告げる「1週間でどっちと正式に付き合うか決めるわ

 断言しよう。こんなヒロインは嫌だ。

 しかしタックもFDRもすっかり本気で、私としては「なんでこんな女を取り合ってるんだよ……」とぼやきたくなる。
 それでもなんだかんだ観ているうちに「ちょっと可愛いかもしれない……」と思ってしまうのだが、それは多分主人公の友人の下品な言動で相対的に可愛く見えるだけなのかもしれない。
 そんな友人ですら、後半にはイイ台詞を連発。「ああやっぱヒロイン好きになれない……」


 さて、肝心の職権濫用だが、ここを深く語ってしまうといざ本編を観たときに面白味がなくなってしまう。
 まあ、何も知らなくても「CIAだから余裕で他人の家も監視できますよ」という感じでサクサク進んでいくのが逆に心地好い。ヒロインの自宅にカメラや盗聴器を仕掛けるシーンは最高なので必見!
 一度惚れたが最後、部下を使って徹底的にヒロインの情報を揃え、プロフィールを完璧なものへと仕立て上げていく。
 二人の熾烈な争いは、ヒロインに好かれたい一心で行われていることだ。だが、世の女性は自宅を監視体制に置いてまで自分のことを知ろうとするイケメンに靡くのだろうか。それともイケメンだと許されるのだろうか……。

 さてはて、渦中の女、ローレンは最後にどちらを選ぶのか。

 何にせよ、決まり手はセックス。この一言に尽きる。

 ……その後に、ちゃーんとフォローも入ってるので安心。女性という言葉でひとくくりに終わらせてはいない。
 『バトルシップ』ほど爽快なわけではないが、テンポとノリの良さで最初から最後までノーテンキに楽しめるステキな娯楽映画であることに間違いはないだろう。


 追記では『アポロ18』について書く。
 誰かと観るなら『Black&White』、一人で観るなら『アポロ18』かな?

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『スーパーヒーロー大戦』祭りじゃあああああ!



『仮面ライダーXスーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦


 祭りじゃああああああ!!

 これは本当にただのお祭り映画だ!

 あ・ら・す・じ
 天乃川高校を突如襲ったゴーミン(ゴーカイジャーに出てくるザコ敵共)と謎の怪人軍団。
 それらを率いて、弦太郎=フォーゼの前に立ちはだかったのは、なんとゴーカイレッドこと宇宙海賊キャプテン・マーベラスだった!
 なんとマーベラスは復活した敵怪人達の連合、大ザンギャックを率いて全ての仮面ライダーを倒そうと目論んでいたのである!
 一方、ゴーバスターズの前にも、大ザンギャックの仮面ライダー版、つまり大ショッカーを率いた門矢士=仮面ライダーディケイドが登場。
 彼もまた、全てのスーパー戦隊を倒そうとしているのであった……。


 あらすじを書いてみたが、これだけで本編の80%は書いてしまったような気さえする。
 互いに潰し合うスーパー戦隊と仮面ライダーの戦いは、不思議なことにボスであるゴーカイレッドとディケイドが先立って行動するのでわりと小振りな感じだ。それほど派手ではない。
 エレキステイツVSデンジレッド、龍騎のドラグレッダーVSゲキレッドの幻獣拳など、似た技や力を持つヒーロー同士のドリームマッチなどが序盤の見所だ。作品どころかシリーズの垣根を越えた戦いは、作品を知っていればいるほど楽しめるないようになっている。

 ちなみに物語を牽引するのはゴーカイレッドとディケイドではなく、なんとゴーカイブルーとディエンドだ。
 信頼していた(ディエンドは微妙だが)はずの仲間が、何故あんなことをするのか……という点で共通していると言えなくもない。情や義理に熱すぎるゴーカイブルーと、飄々としたディエンドの絡みが中々面白い。でも、こうするともっと面白い(超・電王より)

 後半はもう、唖然とするしかない超展開でスーパー戦隊と仮面ライダーが一堂に集結。
 日本のヒーローが、それぞれ35年と40年以上かけて培ってきた物量は圧巻の一言に尽きる。去年の『ゴーカイジャー×ゴセイジャー 199ヒーロー大決戦(?』も凄かったが、今回はその中にバッタが混じっている。
 あと、何故仮面ライダーシンだけが素立ちではなくポーズを決めていたのかがわからない。何故だ?
 戦闘シーンも、もはや戦(いくさ)だ。お約束の採掘場みたいな舞台で、ヒーロー達が真の敵とうじゃうじゃ戦いをおっぱじめる。
 先ほどはドリームマッチの連続だったが、今度はドリームタッグだ。ヒーローとライダーの合体攻撃や、オーズの大いなる力など、やりたい放題な見せ場で畳み掛ける。
 歴史がなければ出来なかったであろう展開は、確かにスーパー戦隊と仮面ライダーならではだ。
 夏に公開の決まった『アベンジャーズ』も、さすがに数ではこちらに勝てないだろう(多分歴史では勝ってる)。

 スーパー戦隊と仮面ライダーの共演による、まさしく夢のお祭り映画。特撮好きなら、これを映画館で観ないわけにはいかないだろう。

 追記では、映画の内容について少しだけ言及しようと思う。
 今回もネタバレは控えるが、出来れば観てから、ということで。





 

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『スーパーチューズデー 正義を売った日』を恐れるな/『アーティスト』よ柔軟であれ



『スーパーチューズデー 正義を売った日』

 ライアン・ゴスリング主演、ジョージ・クルーニー監督。

 オハイオ州での予備選挙に勝てば大統領就任は確実――その選挙を戦うマイク・モリスは、対抗馬であるブルマン候補を圧倒しつつあった。
 その一因は、モリスの掲げる理想を支持し、広報官を務めるスティーブンにある。熱意ある彼のおかげで、モリスは選挙前の票集めを有利にしているといっても過言ではないのだ。
 そんなスティーブンにある日、対抗馬ブルマンの選挙キャンペーン責任者であるダフィから連絡がやってくる。
 密会を希望するダフィは、何やら重大な情報を持っているらしく、スティーブンは敵対陣営の者と接触するというタブーを犯してしまう。
 その選択が、やがてスティーブンを〝政治〟という泥沼に引き込んでいく……

 今ではもうサッパリCMを放送しなくなっているが、TVCMでの宣伝文句は確かこんな感じだ↓

「日本の政治家に問う。この映画、是か、非か」

 なんで大衆娯楽である映画(しかもハリウッド作品!)なのに、こんな宣伝をしてしまうのだろうか。
 これでは政治、選挙におけるある程度の予備知識が必要なのではないかと思ってしまう。

 実際この映画は、そんな知識など全く必要ない。アメリカの選挙のことなど何一つ知らない私でも、頭を空っぽにして楽しめる立派な娯楽映画だ。
 つまり、余計なことを考えずとも、ストーリーをただ追っているだけで面白いのだ。

 政治の場を舞台にしてはいても、結局は人間性や性格に物事は左右される。
 主人公のスティーブンは、たった一度のミスが原因で、政治の裏側を見る羽目になってしまう。
 そうした内部のドロドロを日本の政治家に問うたところで〝否〟に決まってるだろ!

 この映画は、ある意味で巻き込まれ型の主人公が、選挙戦の裏側に潜む姑息で人間臭い駆け引きを垣間見てしまうスリラーとしても観ることができるはずだ。
 つまり、どちらかというと何も知らない一般人向けに作られたものである。って、映画だから当然なんだけど。

 たった一度の過ちから、ズルズル引き摺られるように失墜していくスティーブンは、ある意味政治家そのものだ。イメージが重要視される世界では、一度の失言や失策が命取りになりかねない。
 芸能人のブログ炎上なども同じだ。〝常に見られている〟という立場の者は、どんな言葉にも、行動にも気を配らなければならない。
 選挙活動の裏方ではあるものの、スティーブンの印象はそのまま支持している議員にも影響を与えてしまう。


 そんな泥沼の果てに、スティーブンは一体誰に自らの正義を売ってしまうのか。
 その代わりに何を得て、何を失うのか。
 ラストシーンの後、何を口にするのか。

 娯楽のくせに、中々考えさせられる内容である。娯楽であり、社会派であり、スリラーという奇妙な融合をはっきりと形にした『スーパーチューズデー』は、あんまり目立ってないけど素人こそ楽しめる内容になっている。


 追記では、『アーティスト』について少しだけ。
 ちなみに私のオススメは『スーパーチューズデー』だ。


 

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『バトルシップ』でアツくなれ!



『バトルシップ』


 非常にアツい映画だった。ハリウッドのお約束とでも言うべきストーリーとキャラクター配置、そしてありったけの予算をつぎ込んで出来たであろう侵略者のVFX……これはもう、見紛うことなき娯楽大作である。

あ・ら・す・じ
 舞台はハワイ真珠湾沖。アメリカや日本が中心となって、様々な国が集まり合同軍事演習が始まろうとしていた。
 だが、先行した3隻の駆逐艦が、演習の場となる海上に謎の物体を発見する。レーダーでは捉えられない巨大な物質の出現と同時に、世界各国に宇宙から機械の残骸のようなものが飛来していた。
 それらは全て、過去にNASAが発見し、メッセージを送信した〝地球と似た環境を持つ惑星〟からの、あまりに強大な返信であった……


 まあ、最近よくある侵略者に対して軍が全力を出して戦うタイプの映画である。
 しかし、この『バトルシップ』は、そんなマンネリになりがちな侵略系映画とは違う点が幾つも見受けられた。

 まず一つは、侵略者の規模だ。
 敵の数(予告編でも観られる生物的なメカ)は合計四つ(本来5つであったのが、内一つが人工衛星との衝突で空中分解した)。
 昨今の侵略系映画(『世界侵略:ロサンゼルス決戦』『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』)などに比べれば、随分と少ない。
 これにはちゃんとワケがあって(そこは劇場でチェック!)、敵側も少ない戦力で戦うが故にハワイ一帯を覆うバリアを張るのだ。
 そのバリア内に閉じ込められたのは、上記にある先行した3隻の駆逐艦のみ。
 そう、この映画で描かれる戦いは、日米3隻の駆逐艦VS侵略者メカなのだ。
 敵側の兵器は強力だが、数も少ないが故に弾薬を温存する。かなりリアルな戦いが楽しめる。
 この点において「なんで敵側は全力でぶっ放さないの?」などと言うのはお門違いなのである。

 味方も敵も少なければ、互いに互いの力を知らないという対立関係が、規模の小ささを上手く補っている。
 兵器の威力などの技術面で圧倒的に劣ってはいても、戦術で互角に渡り合えるレベルのパワーバランス。これは非常に手に汗握る展開を生み出しているのだ。


 次に、戦艦同士の戦いという点だ。
 人類側の戦力はたった3隻の駆逐艦。
 駆逐艦というのは、劇中でも説明されるがターミネーター並の火力紙みたいな装甲を持つ艦のことで、戦艦と違って防御力は高くない。
 その代わりに、レーダーなどによって敵の攻撃を探知し、着弾前にミサイルで撃破することで防御力を補っているのだ。これがいわゆるイージス・システムというやつで、そのシステムを搭載したのがイージス艦――駆逐艦である。
 だが今回、敵はおろか、敵の攻撃すらもレーダーでは探知できない。防御力のない駆逐艦は、目視に頼って迎撃するほかない。
 当然、ミサイル等もロックオンできないし、勝ち目がないようにも思えるが、実はそれは敵にとっても同じこと。この辺りは、原作となっている戦艦ゲーム(?)と似た設定になっている。私もスマホのアプリで試しにやってみたが、確かに似ているし、中々楽しかった。
 果たして、この窮地から勝機を見出す方法はあるのか……!
 浅野忠信演じるナガタ艦長から目を逸らすな!


 さて、追記ではこの映画について、もうちょっとだけ突っ込んでみることにする。
 別に設定や脚本の粗にツッコミを入れるわけではない。そんなことしてこの映画を楽しめるわけがないからだ。


 

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童貞を卒業した『マンク~破戒僧~』の暴走



『マンク~破戒僧~』

 18世紀に発表され、当時は発禁本となったゴシック小説を、ヴァンサン・カッセル主演で映画化したものだ。
 破戒僧というのは、読んで字の如く〝戒律を破った僧〟である。要するに掟を破った修道士だ。

 今回のヴァンサン・カッセル演じるアンブロシオが破ってしまった掟は童貞卒業――つまり姦淫のこと。
 教会の門前に捨てられ(?)修道院の中で育ち、厳格だが信仰に厚い修道士となったアンブロシオは、説教も上手く他の修道士から尊敬と畏怖の目で見られていた。
 しかし、ひょんなことからある女性に童貞を奪われてしまう
 なんて羨ましいんだ! と、時代が時代ならそうやってチヤホヤされる夢のような体験なのだろうが、此処は中世、修道院。「汝姦淫することなかれ」がまかり通る世界だ。
 そしてアンブロシオはその筆下ろしセックスをキッカケに、今まで眠っていた男の本能が爆発してしまう。

 あらすじをざっと書いてみたが、別にこの後エロゲのような展開になったりはしない。
 というより、エロゲみたいになりそうな物語を、なんとか狂気的な映画として収めている。
 ヴァンサン・カッセルの演技は勿論、低予算ながら舞台の背景もよく出来ている。スペインの荒野のど真ん中に孤立する物語の舞台カプチン派修道院(なんか、かっこいい)は安っぽさがなく、雰囲気もバッチリ。
 キャラクター面でも、主人公の他に不気味な仮面を身に付けたバレリオという修道士の存在、恋人を持っていることを隠している修道女、貴族と庶民の男女の恋なども、作品に奇妙なリアリティを与えている。
 彼らがどう物語に絡んでくるのかは、観てのお楽しみだ。
 追記では、ネタバレを控えつつ原作本が発禁になった理由を少しだけ調べてみることにする。
 では、続きが気になった方はぽちっと、お願いします。

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白人流『ヘルプ』の差別は摩訶不思議



『ヘルプ 心がつなぐストーリー』


 邦題は大抵の映画にならくっつけられそうなサブタイが余計な気がする。
 『戦火の馬 心がつなぐストーリー』でも余裕で成立しそうだし、正直邦題は無難なものより変化球の方が好みだ。
 今後公開予定の作品の中では『ゾンビへッズ 死にぞこないの青い春』『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』とか。

 まあそれはいいとして、『ヘルプ』を観たのでそのレビューをば。

 あらすじは至って簡単。
 時は1960年台。大学を卒業し、地元で編集者の職(?)に就いたスキーター(エマ・ストーン)は、ある日黒人メイドについての本を書こうと思い立つ。
 彼女の地元ミシシッピ州では未だに黒人差別が根付いており、黒人は皆白人にこき使われる身である。そんな黒人達の本音を集めて、一冊の本にしようとスキーターは考えたのだ。
 しかし、「バレたら殺されるかもしれない」と彼女の知り合いの黒人メイドに断られてしまう……ミシシッピ州の黒人差別は、法律で規定されているほどで、白人に逆らうだけで無実の罪を着せられてしまうことさえあるのが現状であった……


 パーっと観た感想は、まあまあ面白い映画だ。
 黒人メイド達は黙って白人の言うことを聞き、まるで機械のように彼らに従っている。週給ほんの数ドルで、料理洗濯掃除、更には子育てまで全うしなければならない。しかも週6日。
 ストレスと疲れがすぐに溜まりそうな環境ではあるが、メイド同士は互いにジョークを言い合ったり、他人の子に精一杯愛情を注いだりと常に前向きだ。
 やがてスキーターの話に乗っかったメイド達のおかげで、インタビューは順調に進んでいく。
 だが同時に、黒人メイド達は理不尽な不幸に自らの立場を追いやられていく……

 と、こう書くと展開が重たそうに聞こえるが、実際それほどではない。話が深刻になるにつれ、同じくらい笑いどころが増えてくるのだ。
 そのさじ加減も絶妙で、まさに笑って泣ける映画に仕上がっている。
 特にアカデミー賞も受賞した黒人メイドの一人ミニーの行動は凄まじい。
 彼女はある理由から、仕えていたヒリーという女性(スキーターの旧友)からクビを宣告されてしまうのだが、その復讐たるや怖ろしさを飛び越えて笑えてしまうレベルだ。

 ヒリーは徹底的に悪役として描かれている白人女性で、いいところなんて1つもない女だ。なんでこんな奴が存在するんだろう……と思わずにはいられない。
 しかし、ちゃーんと白人側にもイイ奴がいるのが心憎い、というかあざとい
 頭が悪そうな女がいて、クビになって身も蓋もない噂で仕事口のないミニーを雇うのだが、そのバカっぷりでミニーとの距離を縮めていく――白人観客はバカ女に感情移入しろってことなのだろうか……
 白人VS黒人という構図である以上、仕方のないことなのだが、よくこれで米国でのヒットに繋がったなあと思わなくもない。


 さて、追記ではよくわからない黒人差別への疑問を述べることにする。気になる方はぽちっと、お願いします。


 

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寡黙な男の『ドライヴ』は陰と陽



 注:貼り付けたのは予告編ではなく冒頭10分の映像です。10秒くらいは画面が暗いままですのでそこだけ気をつけて!

『ドライヴ』

 あらすじ:ライアン・ゴズリングの演じるドライバーは、昼はカースタントや自動車修理工場で働き、夜は強盗逃しのために車を走らせる寡黙な男。
 そんな彼はある日、同じマンションに住む子持ちの女性(キャリー・マリガン)に一目惚れ。車の修理をしてやったり、子供も連れてドライブを楽しんだりと、自然と彼女との距離を近づけていく。
 そんなある日、彼女の夫が刑務所から戻ってきた。だが、更生を誓う夫は刑務所内でのいざこざまで引き摺ってきていた……
 果たして、ドライバーは一体どんな行動に出るのか?


あえて言おう。素晴らしい映画であったと。(某グラハム風)

 ネタバレはしないのが自分ルールなので多くは語れないが、間違いなくもう一度観たくなる映画だ
 昨日観たわけだが、私は既に次の約束を取り付けてしまった。

 この映画がもう一度観たくなる理由を挙げるなら、それは一文で語れる。

 全てのシーンが、ストーリーテリングが、演出が素晴らしいのだ。

 いわゆる涙なしには観られない感動のラストや、とんでもないどんでん返しの結末など、そういったことから「もう一回観たいなあ」と思ったわけではない。
 全て通しで、もう一度観たくなるのだ。
 まずは是非上に貼った冒頭10分間を観て欲しい。ドライバーの夜の仕事のシーンが見られるので、その巧みな仕事ぶりを堪能できるだろう。
 10分で『ドライヴ』に興味を持った方は続きをどうぞ。


 

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非公認戦隊アキバレンジャー先行試写会!

 今回は映画ではないが、試写会にて鑑賞した映像作品についての記事にしようと思う。

 その映像作品の名は…………



非公認戦隊アキバレンジャー!

 ……というわけで、アキバレンジャーの先行試写会に馳せ参じてきた。
 抽選が当たって、なんか色々貰えて、役者さんの舞台挨拶も込みで超てんこ盛りの上映会であった。
 説明するのが一々面倒なので気になる方はリンクを参照ということで……。

 とりあえず、戦隊オタク武闘派少女コスプレイヤーがヒーローに変身し、邪団法人ステマ乙と戦う物語である。
 美少女フィギュア兼銃を用いて変身し、彼ら三人は非公認戦隊アキバレンジャーになるのだ。
 本拠地(戦隊カフェ)あり、美人の博士あり、主人公が恋する全く無関係のヒロインあり……一応、設定だけなら毎週日曜朝7:30から放送中の戦隊ヒーローシリーズと変わらない。

 だが彼らは非公認戦隊で、しかも放送時間帯は深夜である。

 つまり、ちょっぴり大人向けの内容になっているのだ。
 試写会は本編第1話の上映だったのだが、30分にも満たない尺の中に驚くほどの戦隊ヒーローネタが登場する。
 主人公が口にしただけでも、デカレンジャー、マスクマン、マジレンジャー、ギンガマン、あとファイブマンだかガオレンジャーとかもうあんまり覚えてない……;
 主人公の戦隊ネタマシンガントークについていくことなど、余程の博識でない限り不可能なのではないだろうか……

 女幹部のコスチュームや、アキバブルーの堂々たるパンチラ、戦隊ヒーローのお約束をネタにするなど、色々と子供向けではない要素は他にも多い。

 アクションは比較的マジメにやっているし、ゴーバスターズにも引けを取らない十分な出来。
 スタッフも監督に田崎竜太、脚本に荒川稔久とこちらもマジメ。ギャグは面白いし、観る前に危惧していたあざとさも意外と感じられなかった。多分特撮好きはマニアックになればなるほど嬉しくなるのだろう。
 これは中々期待できそうなので、放送開始が待ち遠しい。
 記憶が曖昧だが、4月6日とか9日ぐらいから始まるとか。
 あとネットでの期間限定無料配信も決定したそうなので、気になった方は是非!


 あ、今回は追記ナシです;

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饂飩粉

Author:饂飩粉
 映画が大好きな大学生。実は特撮やアメコミなんかも好き。
 ブログは常に観た映画の中から印象深かった作品に絞って書いていくつもりです

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