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日本人をぶっ潰せ!『ウインドトーカーズ』

ウインドトーカーズ (2枚組 プレミアム) [DVD]ウインドトーカーズ (2枚組 プレミアム) [DVD]
(2006/04/28)
ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ 他

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『ウインドトーカーズ』

 主人公のエンダーズ伍長は、某戦線での唯一の生還者であった。無茶な命令に従ったせいで他の仲間を失い、自らも片耳の聴力と平衡感覚を犠牲にしている。
 一刻も早い復帰を望んだ彼に課せられた任務は、戦争の最前線で『ウインドトーカーズ』を護衛するという任務であった。
 ウインドトーカーズとは、ナバホ族の通信兵だ。米軍は、敵国に暗号通信を解読されないよう新たにナバホ語を使った暗号を創り上げたのだ。
 エンダーズに命じられたのは、暗号の絶対死守である。その命令の裏には、止むを得ない場合、トーカーズであるナバホ族ベン・ヤージーの殺害をも許可されていた……。


 ジョン・ウーが監督したこの戦争映画は、主人公であるエンダーズと、その保護対象ベン・ヤージーとの関係性を主軸において進行する。
 最初は仲の悪かった二人だが、戦いを経て次第に理解を深め合い、時に傷つけ合い、励まし合う……そんな男の友情ドラマだ。
 一応ヒロインっぽい女性がいるのだが、単なるオマケ程度のもので正直いなくてもいい
 戦場のシーンは迫力があり、数え切れないほどの爆発が観る者を圧倒する。
 ラストの展開も涙なしには観られない……のだが、この映画には一つ問題がある。


 それは、舞台が第二次世界大戦であり、主人公達が戦っている相手は日本なのだ。

 日本軍の領地に戦いを仕掛け、爆撃が成功する度に脇役達が「Yeaaaaah!!」などと叫んでいるのである。
 ……少々、日本人としては複雑な気持ちにならないでもない。
 また、徹底した米軍側からの視点で描かれるので日本は完全に敵として描かれる。ゴーカイジャーで例えると日本軍はザンギャックだ。
 エンダーズを演じるニコラス・ケイジも「俺に日本軍を殺させてくれ」などとのたまうし、ベンを虐める脇役も「おっと、ジャップと間違えたぜヘヘッ」と、完全に日本を敵視している。

 だが、そうした内容も、ある種のギャグとして受け止められるレベルだ。前述した脇役兵士のやっつけなフォローは必見である。

 更に、この映画ではなんとニコラス・ケイジの日本語が聞けるのだ!

 『キル・ビル』のユマ・サーマン、『ローグ・アサシン』のジェイソン・ステイサムに並ぶカタコト日本語は、洋画ファンとしては決して聞き逃してはならない。
 もうこれを聞くためだけに観てもいいくらいだ。

 そのニコラス・ケイジの驚くべき日本語に関しては続きで紹介する。
 ネタバレにはならないのでご安心を。ストーリーは普通に面白いし、ネタとしても十二分なお得映画です。

 

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ノルウェーの森で『トロール・ハンター』と握手!



『トロール・ハンター』

 ノルウェー映画界が「トロールは実在する!」という大嘘の元に製作したフェイク・ドキュメンタリー映画『トロール・ハンター』が、遂に日本公開である。
 私がこの映画の存在を知ったのは、去年だか一昨年だかの映画秘宝という雑誌に載った町山智浩による記事を読んだのがキッカケだ。

 ノルウェーのとある大学生3人組(トマス、カッレ、ヨハンナ)は、卒業制作だかなんだかで野生熊の密猟者に関するドキュメンタリー映画を作ろうとしていた。
 公認ハンター達からのインタビューを進めていくうちに、の密漁疑惑があるハンスという男の存在が浮上する。
 彼らは早速ハンスとの接触を試みるのだが、中々インタビューに答えてくれない。
 そこで三人は、森へと入っていくハンスを無断で尾行することにした。熊の密漁シーンをカメラに収めようと意気揚々と後をつける三人。やがて森の中に停まっていたハンスの車を見つけ、周囲を探っていると……


トロォオオオオオオオオオオオル!!!!

 では、続きは追記にて(笑
 ネタバレはナシなのでご安心を。


 

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『僕等がいた 前編』と『長ぐつをはいたネコ』


『僕等がいた 前編』


 私は原作を知らないが、周囲に知らない人がいないレベルの知名度と人気を持つ少女漫画である。
 どうやら原作の方も高校生編、社会人編と二部構成(?)らしく、今回はその高校生編というわけだ。

 しかし、どうも話にノれない。

 まず、主人公の高橋(吉高由里子)のキャラクターが説明不足だ。特に前半は何を考え、何を思って行動してるのかサッパリ。
 どうやら「フツーの女の子」的な設定のようだが、それは少女漫画なら許されるのかもしれない。だが、映画となっては話が別だ。
 冒頭のシーンの直後、「どうして高橋は矢野をあんなに気にかけているんだろう」と疑問に思ったのだが、その理由は最後まで説明されない。
 別に高橋にも暗い過去があったほうがいい、などとは言わないが「人一倍の心配性」「日々誰かの力になってあげたいと思っている」とか、せめて最低限の説明は欲しかった。

 さて、行動原理が不明な高橋には感情移入ができないので、今度は生田斗真演じる矢野の方だ。
 ……と思ったのだが、こちらの方が無理だった

 矢野のステータスを箇条書きすると


・イケメン

・頭脳明晰

・スポーツが得意

・暗い過去を背負っている


 ……こんな奴に感情移入できるかっ!

 もはや要素が揃いすぎていて暗い過去ですら美点。私のような男にとっては爆発して欲しい奴No.1

 そんなようわからん二人の高校生活を描いた映画は、なんだかとても自己満足感が強い。ついて来れる奴だけついて来い! みたいな内容。
 ストーリー展開も、妙に急ぎすぎている。「お前らもう付き合うの?」「もう喧嘩するの?」「もう仲直りなの?」とトントン拍子で事が進む。
 まるでダイジェスト版を見させられているような気がして、物語にのめり込む余地がない。

 一番理解できなかった点は、高橋と矢野が学校の屋上から夏祭りの花火を見るシーン。
 高橋は矢野に「プラマイゼロ論」を持ち出すのだが、それが意味不明。
 要は愛する量と愛される量がプラマイゼロで云々なのだが、つまり

 元カノの元カレ←元カノ←矢野という構図に元カノ←矢野←高橋を加えることでプラマイゼロにしよう!
 ……という風に聞こえたのだが、全く理解できない。もっと他に意味があったのだろうか?

 本編終了後には後編の予告が流れるのだが、キャストの年齢的にも予告の面白さ的にも明らかにこちらが本命である。
 まるで「後編からは本気出す」と言われているようなものだ。じゃあこの前編はなんだったんだよ!


 ……というわけで、追記では(関係ないが)『長ぐつをはいたネコ』のレビューです。
 ネコ好きな私としては、こちらがオススメ。

 

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『サロゲート』は未来か否か



『サロゲート』
 ブルース・ウィリス主演のSF映画である。

 舞台は近未来。
 世界ではサロゲートという人間ソックリの操りロボットが普及し、人類の98%がそのサロゲートを操作して日々の生活を送っている。
 サロゲートは自分の思い通りの容姿、スタイルにすることができるし、どうやらエッチなことも問題なさそうである。
 ……ちなみに主人公のブルース・ウィリスもサロゲートを使用しており、髪が不自然にフサフサである。なるほど、こんなこともできるサロゲートは確かに凄い。
 サロゲート達には安全装置がついていて、もし事故に遭っても操作している本人は死なないし怪我もない。世界の犯罪率や事故率は限りなくゼロに近づき、殺人に至ってはここ数年間起こっていない。

 そう、『サロゲート』の物語はその殺人事件が起こるところから始まるのだ。
 夜の路地裏でイチャイチャしていたサロゲート二体が機能停止の状態で転がっているのが発見される。
 その事件の捜査を、我らがブルース・ウィリスが担当するのだが、なんと家から操作していた本人までもが死んでいたのだ
 前述の通り、サロゲートには安全装置がついている。死に匹敵する事態に見舞われると即回線を遮断して本人を守るはずなのだ。
 果たして犯人は誰なのか? 一体どんなアイテムを使ったのか?
 その裏には、どうやらサロゲート撤廃を掲げる生身の人間団体が関わっているらしい……。

 設定はブッ飛んでいるが、よく考えたらそうでもない。
 この映画の設定は、言うなればネット上でのコミュニケーションを、現実世界で行えるようになった世界だ。
 アメーバピグやモバゲーのアバター、ミクシィやツイッターのプロフィール画像、自己紹介文……それらと同様に、サロゲートは自分の思い通りの姿に変えることができる。つまり、他人を偽れる
 様々なSNSの発展した現代を誇張したような世界観は、ある意味現実的で、同時に非現実的だ。
 『サロゲート』の世界は、全人類が一つのSNS上で生活しているといっても過言ではない。

 VFXは派手で見栄えがあるし、おかげでリアリティーもそこそこ。街中の人間達がロボットであることが、嫌でも伝わってくる。アクションシーンも中々。
 事件の真相が暴かれるクライマックスは、理解しづらい(映画での説明が下手?)が面白い。ミステリーとしての破綻はないし、感動的ではある。

 だが、ラストだけは少々いただけない。
 このラストについて、多少物語の核心へと突っ込んだ話をしたいと思う。
 事件の真相などストーリーそのものには触れないつもりだが、勘がいい人はこれだけでオチがわかってしまうかもしれないのでご注意を。
 では、続きをぽちっと、お願いします。

 

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『メランコリア』にサヨナラバイバイ/『戦火の馬』は反省しない



『メランコリア』
 あの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や、最近では『アンチクライスト』など色々と物議を醸すのが大好きな監督ラース・フォン・トリアーの最新作。
 どうやらこの映画、監督が鬱病になっていた時期に構想を練った作品らしい……。
 確かに映画は地球が滅亡するまでを描いている。
 日頃私達がプチ鬱になって「もーどうでもいーや」って思う瞬間は確かに地球の終わりを考えないこともないので、何故この作品を作ったかという点は、百歩譲って腑に落ちた。

 だが、それでもなんだこの映画はと言いたくなること間違いなし。

 カメラは不安定で、揺れている。キルスティン・ダンスト演じる情緒不安定な主人公に合わせているかのように、常にグラグラ。
 正直私は酔いやすい体質なので、途中で気持ち悪くなってしまった。三半規管に自信のない方は気をつけた方がいい。
 無論、映画もグラグラというかグダグダ。メランコリアという巨大惑星が地球に接近している最中、主人公は姉夫婦の豪華な屋敷で結婚式を挙げているのだ。
 主人公がかなり病んでいて、その結婚式は端から見ていると絶対参加したいとは思えない。
 花嫁という主役の立場にあるのに、段取りの合間に近くのゴルフコースで小便したり、ケーキカットの前に湯船に浸かってぼーっとしているなど当たり前。
 他にも、明らかに結婚式を成功させる気のない主人公の行動で、式はグダグダ。よって話の展開もグダグダ。

 でも何故か観られてしまうのは、ひとえにキルスティン・ダンストの演技力にある。
 『スパイダーマン』『エターナル・サンシャイン』などのイメージとは真逆の、常に沈んだ表情の彼女は明らかに異常だ。
 前述した彼女の行動も、「お前やる気あんのかよ!」よりは「何この人怖い」という印象が圧倒的に強い。まさかキルスティン・ダンストにこんな演技力があったとは! 「MJ役の子かわいくないなー」とか思ってごめん! これぞ役者だ!

 そして後半は、いよいよ空に浮かび上がってきたメランコリアに対する、主人公と姉夫婦一家の心情変化が丁寧に描かれる。丁寧すぎてなんかこっちもグダグダなのだが、まあ多少話は進むしそれほどでもない。
 本当に世界が終わってしまう時、どんなことを考えるのか。妙に生々しいクライマックスは、共感こそできないものの、忘れることもできないだろう。

 秀逸なのはオープニングの映像。メランコリアが地球に迫ったり、主人公の心情や後の予告的なシーンをアートみたいなカットを繰り返して描いている。
 巨大な惑星メランコリアは、模様や色使いが実際に「ありそう」な感じで且つ不気味。

 一言で言うと、「地球滅亡シミュレーション映画」世界を救うばかりの作品に飽き飽きしている人にも、オススメできなくもない。

 あと、この映画は監督的にハッピーエンドだとか。マジかよ!?


 では、『戦火の馬』のレビューは続きをぽちっとお願いします。
 個人的には、素直に良い映画を観たい方にはこっちのがオススメ。

 

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『SHAME-シェイム-』から目が離せない



 主人公ブライドン(ミヒャエル・ファスベンダー)は、仕事以外の時間は、文字通り精を出している。
 セックス、もしくは自慰行為だ。仕事の合間、シャワーの最中など、隙あらば一人で虚しくしごく。
 セックスの相手も選ばない。金を払って呼ぶこともあるし、バーでたまたま出会った女性と一晩過ごすことも。

 何を隠そう、ブライドンはセックス依存症だ。
 アルコール依存症の患者が事あるごとに酒を飲むように、彼はセックスをしなければ気が済まないのだ。
 この映画は、そんなブライドンの生活をひたすら追いかけたドラマである。

 想像できるだろうか?
 何か辛いことがあったとき、ストレスが溜まっているとき、私達ならどうするだろう。
 例えば酒を飲む。買い物で散財する。カラオケに行く。私の場合は映画館に行ったり、好きなゲームをずっとプレイしたりするのだが、発散の方法は数え切れないほどあるはずだ。

 しかし、セックス依存症のブライドンには、セックスしか選択肢がない。毎日の様にポルノサイトで動画を眺め、女を買い、それでも性衝動は留まることを知らない。
 まるで穴の開いたコップに延々と水を注ぐかのように、ブライドンはセックスを重ねていく。

 また、アルコール依存症の患者が楽しく酒を酌み交わすことができないように、ブライドンはセックスを楽しむことができない。
 劇中、他人との深い関係を築こうとしなかった主人公が、ある女性に心を開く瞬間がある。
 だが、いざベッドに向かったとき、そこには「愛」があっても「セックス」が存在しない。
 この一連のベッドシーンの長回しは、観ているこちら側の不安を大いに煽ってくる。役者の演技も相まって、かなりの名シーンだ。

 『SHAME-シェイム-』は、セックス依存症に悩む男性をこれでもかと描写し、観客にその苦悩を訴えかけてくる。観ているうちに、段々とこちらの心まで痛んでくるほどだ。
 だがこの映画が凄いのは、その恐ろしいほどのリアリティーだけではない。
 何が凄いのか。それは劇中に登場する、主人公の妹シシーが大きなポイントになっているのだが……
 気になる方は続きをぽちっとお願いします。
 例の如くネタバレ――というかそんなものはこの映画に関してはあまりないのだが――はナッシングです。


 

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プチレビュー3連発。『シモーヌ』『七つまでは神のうち』『エグザム』

『シモーヌ』

 アンドリュー・ニコル監督のSFコメディ映画。
 最新作『TIME』は当ブログの初記事にしたいくらいの傑作です。

 この映画では、なんと「現実と区別がつかないほどのバーチャル女優(ヴァクトレス)を作成できる」プログラムが登場。
 主人公の無名映画監督は、このプログラムにより架空の女優シモーヌを作り出し、長編映画を完成させ大ブレイク。
 正体不明の美人女優シモーヌはマスコミや世間からも大注目を浴びるのだが、実在しないためプライベートが存在しない。
 主人公は映画が大成功したのをいいことに、シモーヌは専属女優とし匿っているという嘘を吐いてしまう……。
 最近では『ロボジー』などでも使われた展開である、「嘘のせいで後戻りできないところまで追い込まれてしまう」系の作品。

 『シモーヌ』の面白いところは、主人公がシモーヌが実在すると人々に信じ込ませるために様々な手段を用いるところ。バレたらただじゃ済まないため、主人公の行動力も半端ない。
 ホテルに宿泊した風に見せかけたり(勿論主人公と二人部屋の設定)、次回作の共演者と音声だけで会話させたり(勿論主人公のアテレコ)、テレビに映像で出演させたり(勿論主人公が予め作っておいたプログラム)などなど。
 更には「監督の言うとおりにすれば素晴らしい作品になるわ」「役者は監督のためだけに動けばいいの」など主人公が訴えたいことをシモーヌに代弁させたりもする。このあたりが、設定を上手く活かしているポイント。
 とにかく前半は主人公がシモーヌのアリバイ工作のために悪戦苦闘する展開が笑える。
 しかし、中盤からはどことなくシリアスな雰囲気が漂い始める。主人公が、自分の取る行動と意志の矛盾に気がついたとき、一体シモーヌとの関係どうなってしまうのか――。
 設定にこそリアリティは皆無だし、その技術はもっと別のところで活かせよとでも言いたくなるが、話はすこぶる面白いのでオススメ。
 ラストの展開は連続した伏線の回収によって二転三転(!?)。
 主人公は「実在しているように見せかけた」という嘘に、どう決着をつけるのか?


『七つまでは神のうち』



 あらすじを紹介するのが結構めんどくさいホラー映画なんで、予告編で……;
 意図的に犯人の顔が見えないような構図になっているのだが、そのせいで逆に観てる途中で犯人に目星がついてしまった。
 すると、映画の構成におけるトリックも自然と見えてきてしまい、結果オチが想像通りに……。これさえわからなければきっと楽しく観れたんだろうなあ。
 娘が行方不明になった夫婦、そして三人の若い女性(少女?)、彼女達の接点とは? そして神隠しの真相とは?

 トリックは使い古されてるし、観てる途中で気づいたとしても中々面白い。
 だけども、キャラクターの行動や様々な手段に疑問が残る
「何故ここでそんな行動を取る?」「どうしてこうしないの?」「それって運に左右されすぎじゃない?」
 と、観てる間に何度もそう思ってしまう。なんというか、話を進めるためだけに登場人物を動かしているようでイマイチ物語に乗れない。
 それに後半、三人の女性にふりかかる悲劇は、どうも確実性に欠ける。そんな一か八かでいいのか?
 というわけで、最後までキャラクターへの感情移入ができず、面白い話なのに引き込まれない展開の仕方などのマイナス面が目立つ。
 全体的に、説明不足なのだ。劇中では登場人物の何人かが誘拐されるのだが、その方法については最後まで明かされない。あの妙な演出はなんだったんだよ!と言いたくなる。

 設定や構成を、上手く料理できていない凡作ホラー。前述のシモーヌは、設定を物語と絡めた上手い使い方をしているのだが。


 では、最後の『エグザム』は続きをぽちっと。
 どちらかというと、一番書きたかったのは『エグザム』についてです笑


 

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『ヒューゴの不思議な発明』というわりに発明はしてない



 『ヒューゴの不思議な発明』は、3Dで観なければ意味がない。何故2D上映なんてやってるのだろうかと、首を傾げたくなるほどだ。巨匠(でも私自身はそんなに監督の映画を観てない……)マーティン・スコセッシの初3D作品であり、メインターゲットは子供。映画好きの大人も、エンターテイメントを求める子供も、3Dで観たがるに決まっているだろうに。

 時は1930年ごろ、舞台はパリ駅。主人公の少年ヒューゴは、その駅構内の全ての時計を管理し、修理する仕事を人知れず担っていた。父を失った彼は叔父に連れられ、駅の壁の中で暮らすことと、叔父の仕事を継ぐことを余儀なくされてしまったのだ。
 その叔父もヒューゴを残して何処かに行ってしまったので、彼は駅で働く者達にも知られずに一人で生活している。勿論金などないので、孤児院へと連行しようとする保安員の目を盗んで、コッソリと構内のパン屋から食事をくすねる日々。
 そんな彼が食料以外にくすねていたのは、機械の部品だった。死んだ父の残した機械人形を完全に修理するためである。どうやら人形は、動かせばペンを持って何かが書けるようで、ヒューゴはその書かれる内容こそが父からの遺言(?)だと思っている。
 構内でカタブツそうなじいさんが経営している玩具店が、いいカモだった。機械仕掛けのおもちゃを盗んでは、使えそうな部品を修理に充てていく。
 しかし、ある日ヒューゴはそのじいさん――ジョルジュ・メリエスに盗みの現場を見られ、捕まってしまうのであった!

 何故この映画が3Dでなければいけないのか。私なりに幾つか主張がある。
 まず、この作品が3Dを大いに意識しているというのが一つ。
 冒頭、歯車で構成された機械仕掛けが、パリの街並みにシフトしていくシーン。主人公ヒューゴが"壁の中"にある道を移動するシーン。
 作品のテーマを表現した映像や、奥行きを意識した構図などは3Dのおかげもあり圧巻の一言に尽きる。保安員に追われて、駅の中を駆け回るくだりでも、その映像美は如何なく発揮されている。

 もう一つは、3Dという新たな技術を惜しみなく前面に出していること。それは、映画の新たな進化を改めて知ることができるという点で私は評価している。先に書いた主張と似ているようだが、微妙に違う。
 この進化の実感は「ほら3Dですよ!」「飛び出しますよ!」という風な押し付けがましさがないからこそ成り立つものであり、要するに『ヒューゴ』は3Dの使い方が上手い
 3Dという技術が、トーキーやフルカラーという発展、果てはクローズアップやカットバックなどの映画の技法などと同じ領域に達していることを映画によって体感することができるのだ。
 …………まあお遊びの様に3Dを用いた『ピラニア3D』なんかも私は大好きなのだが。

 さて、先ほどもちょこっと書いたが『ヒューゴ』のストーリーには、映画そのものの歴史や発展が大きく関わっている。
 動く写真などと言われていた時期から、どのようにして昨今の映画が生まれたのか。その点もわかりやすく話に組み込まれていて、非常に興味深い。ちなみに『ヒューゴ』に登場する『月世界旅行』など多くの古い映画はパブリックドメインになっているので、ネットでググれば無料且つ合法で観られるものがほとんどだ。映画を観る前でも観た後でもいいので、是非鑑賞を。

 ……なんだかロクにストーリーに関して言及してないので、そろそろ書こうと思う。
 それでは、気になる方は続きをぽちっとお願いします。相変わらずネタバレなしの方向で。
 尚、映画史については、あえて一切触れていない。この映画を観た後、それは自分の意志で知るべきことだと思いますので。

 

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『ヤング≒アダルト』の悟りの境地!



 3月1日に『ヤング≒アダルト』を観てきた。
 『JUNO/ジュノ』の監督と脚本化が再タッグを組んで、またもやとんでもない女性キャラクターを生み出してしまった映画だ。
 
 物語は、メイビスという40間近のバツイチ美女が、都会のマンションで目覚めるシーンから始まる。職業はゴーストライターで、今書いてるシリーズは人気がなくなり編集からは最終回を書けと命じられている。
 この後、冒頭からすごいだらしない女の朝が描かれるのだが、その行動一つ一つは「あ、この人とは仲良くしたくない」と思わせるものばかり。
 起きたら位置がズレていたヌーブラをベリベリと剥がしたり
 飼ってる犬が邪魔だから餌をチラつかせ誘導しベランダに追い出したり
 プリンタのインクが切れたからインクに唾垂らして応急処置したりと、とにかくドン引きする描写のオンパレード。
 そんな彼女だが、化粧をするとまだまだイケイケの美女に大変身。テキトーに男とデートしてベッドインなんてお手の物だったりするわけだ。その余裕と美貌がまたイラッとくるわけだが

 ある日メイビスは、高校時代に地元で付き合っていた元カレ(高校一のイケメンだった)から、結婚と子供の出産の報告を受ける。どうやらそれを祝してパーティーするみたいなのだが、元カレは未だに地元の田舎町で暮らしているらしく、メイビスからすればダサくてつまらない生活にしか思えない。
 しかしメイビスは、そのパーティーに参加することを決める。彼女とて都会で暮らしているとはいえ、仕事して毎晩違う男と寝るだけの日々を送っている。
 観客側からしても、それは確かにツマらなさそうだ。
 だがメイビスがパーティーに参加することには、恐るべき真の目的が存在した……
 その目的とは何なのか!? ここは本編の導入でありネタバレではないので、気になったな方は続きをどーぞ。
 ってか、ここから真の感想になります笑

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饂飩粉

Author:饂飩粉
 映画が大好きな大学生。実は特撮やアメコミなんかも好き。
 ブログは常に観た映画の中から印象深かった作品に絞って書いていくつもりです

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